合気道について  ● 
 

 


一、合気道とは
 (気・心・体の鍛錬と人間求道)

一.合気道の特色

合気道は試合がなく老若男女を問わず、誰にでもできる日本独特の心身練磨の武道です。
お互いの習熟度にあわせて技を繰り返し稽古し、心身の構成を図ることを目的としています。
稽古の積み重ねが健康によいのは言うまでもなく、日常生活において積極的に取り組む自身が自然と培われてきます。また道場には年齢、性別、職業、国籍を問わず人々が集まってきますので、道場は人間理解の眼を深める為には最適の場です。
合気道の稽古には終わりはありません。稽古をはじめたら根気よく続けることです。うまずたゆまず求めてください。稽古を続けることが進歩への第一歩であり合気道の大切な一面でもあるのです。


・和の武道

 合気道は日本の古くから伝わるいろいろの柔術の流れなどの中から、開祖植芝盛平がその技術を磨き上げ、さらに人格的研鑚によって精神性、求道製をくわえ、“術”から“道”へと飛躍的に完成せしめたものである。
 つまり“不断の心身鍛錬をもって人間求道のための修業となり”という開祖植芝盛平の信念にもとずいて生誕した独自の近代武道であり、その後さらに社会一般への普及組織化にともなう合理的な整備が裏づけられ今日への発展している。
 その要旨によると「真の武道はいたずらに力に頼って他人と強弱を競うものではなく、自己の人格の完成をねがっての求道である」と説き、その体現についての道である合気道は宇宙偏在の根源の“”と、人間“”の呼吸を通じての気とが一体化するところにその究極を置くとしている。いわゆる合気道はこの“”と“”を
する武道といえるのである。

・人間完成の道

 開祖植芝盛平がこの合気道を世に出すためには、戦前から戦後にかけ、幾多の精神的遍歴を重ねた。中でも、起倒流柔術、柳生流柔術、新陰流剣術、大東流柔術などつぎつぎと修行体得し、更に日本古来の宗教的教義や古書等を通じ精神的窮極を追いつつ、それを武術と一体化した処に大きな特徴が考えられる。
 徒手で相手と対決しながらその気を導き制する処の合気道は、たぶんに今日的合理性と洗練された格調とをもつ“現代に生きる日本武道”といえるものがある。
 故に合気道は、その機転でもある日本を中心としながらも、国際的に現代人の心を掴み、大きな飛躍につながったのである。

二、稽古法の特色調和のとれた無理のない動き)

・自然と一体となった動き

 合気道の最も大きな特色は、無理をせず素直に合理的な動きが自然に出来るように技をくりかえし反復しながら稽古することです。
 合気道に試合がないことも、自然と一体となった無理をしない動きの本質から当然といえましょう。
 したがって、学生、壮年者は申すまでもなく少年、婦女子、実年たちまで非常に広い年齢層、性別に関係なく愛好者がふえつつあることは、誰にでも出来るということを裏付けています。合気道を修行していくうちに、自然と姿勢や立居振舞いが美しくなり、物事にきちっとけじめをつける態度が養われ、全身の柔軟運動や無理のない動きによって内蔵の諸機能が活発に働き、調和のとれた健康美が知らず知らずのうちに得られます。

・進歩の極意は継続すること

 稽古を通じて養われる機敏性は、日常生活においても自然に生かされ、てきぱきとした動作となり、合気道を修行して身に付けた自信は、人間として生きる姿勢にもそれが表されてきます。
 道場には様々の職場や学校、あるいは外国からの人々が集まってくるので、いろいろな人々と話し合うことによって、ものの見方の幅を広げることにもなり、人間理解には適した場といえましょう。
 合気道は自分の心身を的にして実際に覚える以外にありません。稽古をはじめたら根気よく続けることです。うたずたゆまず求めて下さい。これが進歩へつながる修行の大切な一面であります。